国税職員と民間経理を比較してみた【全11項目】

転職活動

国税職員として仕事をしていると「もうこんな仕事嫌だ、転職したい……けれど民間会社で働くの怖い」と思うことありませんか。

新卒で国税職員になった場合、他の仕事について知ることができず、そのために同じ思考がグルグルと続いてしまいます。

そこで国税職員にとって会計という共通部分がある「経理職」について11項目で比較してみました。

比較することで

  • 国税という仕事の良いところ/悪いところ

を考える基準ができます。

私は新卒で国税専門官になりアラサーで転職。民間会社の経理になりました。国税職員と民間の経理職を経験してみて、国税の良いところ・悪いところが在職中より分かるようになりました。

この記事を読むと、「やっぱり国税職員のままでいよう」「転職もいいかもしれない」等と考える材料になります。

結論は「権力の行使」に強いやりがいを持っているなら、国税職員を辞めるべきではないです。しかし権力の行使よりも「自由」が欲しいなら転職を選択肢に入れることをオススメします。

11項目で比較してみた

国税 民間経理
年収 低~高
残業 確定申告時期に多い 決算時期に多い
有給 半分は消化できる(部署による) 会社によるが消化しやすい
車の運転 ほぼ必須 不要
異動の有無 毎年7月にドキドキする 基本無し
在宅勤務 ほぼ不可 可能
同僚 毎年入れ替わる ほぼ固定
ストレス ストレス多い ストレス少ない
権力 とても強力 無し
将来性(IT) 置き換わらない 一部置き換えられる
ニュースになる 良い意味でも悪い意味でも
ニュースになる
基本無し

では1つずつ見ていきます。

年収

国税 民間経理
年収 低~高

国税職員、特に国税専門官の若手(20代)の年収は公表されている通り400~500万円です。

民間の経理職の年収は、上場している大規模会社の経理なら勤務歴が3年でも年収500万円以上です。しかし小~中規模の会社だと350万円程度も多いです。

「年収は会社による」が答えではありますが、転職で年収を重視する場合は「今の年収の同程度以上の求人」に絞れば良いです。私もそうしましたし、よほどの急ぎの転職でない限りほとんどの人がこの条件で探していると思います。

そして国税職員が転職する場合、今の年収同程度以上の条件で絞っても応募できる求人はあります。全くの未経験なら年収ダウンが普通と思って転職活動する必要がありますが、基本的な会計の知識があり、税務の実務経験があるのでそこは自信を持てます。

残業

国税 民間経理
残業 確定申告時期に多い 決算時期に多い

税務署の場合は、日々の業務では残業は基本なく、確定申告の時期に残業が集中します。(ただ国税局勤務だと確定申告時期に限らず残業が多いと思います)

会社の経理だと、月末月初に数日間と、決算時期が残業あります。私の場合、月末月初の数日間に1日2時間の残業、決算時期だと1日1時間の残業が1か月半続くような感じです。

有給

国税 民間経理
有給 半分は消化できる(部署による) 会社によるが消化しやすい

税務署にいたとき、有給の消化具合も統括や総務がよく見てくださっていたので、「消化できるときに消化してしまう」という環境でした。毎年、半分は消化できました。

会社の経理の場合、会社によるとはいえ、忙しい時期とそうでない時期がはっきりしているので有給は消化しやすいです。

有給の取得はどんな職場でも当然の権利なんですけどね

車の運転

国税 民間経理
車の運転 ほぼ必須 不要

税務署の場合、何かと車の運転が必要です。

一方、会社の経理だと運転は求められないです。求人の要件でも運転免許の記載ないことがほとんどです。

運転好きな人には物足りないかもしれませんが、あまり好きではない人にとっては運転不要な業務内容は有難いのではないでしょうか。

私は苦手です

在宅勤務

国税 民間経理
在宅勤務 ほぼ不可 可能

国税職員で在宅勤務というのはほぼ不可能です。国税庁の採用ページの「女性職員からのメッセージ」には

私は「産前産後休暇」と「育児休業」を組み合わせて職場を1年離れ、復帰後はテレワーカーとして2年間在宅勤務を経験しました。

とありますが、イレギュラーなのではと思います。

一方、民間の経理の場合、調査や徴収でも無いので在宅勤務しやすいです。特に昨今、クラウドの会計システムを導入している企業も増えており、家からでも各種会計処理が行えます。

国税から民間経理に転職したい場合、「在宅勤務可能」な会社で絞って転職活動することもできます。フルリモート(全く出社しない)は滅多に見かけないですが、必要に応じて出社して時々在宅勤務な会社はあります。

私は家で集中できないので基本は出社ですが、特段の届けを出さなくても「明日は在宅にします」と声を掛けて在宅勤務にすることもあります。

異動の有無

国税 民間経理
異動の有無 毎年7月にドキドキする 基本無し

引っ越しを伴う異動もかなりある国税職員。6月からそわそわし、7/10を迎え一喜一憂します。

国税職員の仕事の特性上、異動は絶対にあるべきです。同じ地域に長年いると納税者との関係におかしなものが入る余地ができるためです。

ただデメリットとしては意図しない異動も多く、生活の重要な部分である「どこに住むか」を自分で決められないことです。

私の税務署退職の理由は、異動が一番大きいです

民間会社の経理の場合、ほぼ異動は無しです。国内に支店が多くあるような会社でも経理は本社に置くことが多く、支店をころころ変わるなんていうのは基本無しです。

同僚

国税 民間経理
在宅勤務 毎年入れ替わる ほぼ固定

国税は異動が頻繁で、同僚は毎年大きく入れ替わります。
同僚が毎年入れ替わることのメリットは、嫌な人がいても「異動までの我慢」と耐えることができます。反対に気の合う同僚がいてもすぐに離れることもあります。

一方の民間の経理の場合は、異動はほぼなく毎年同じメンバーと仕事をします。
同僚がほぼ固定であることのメリットは、それぞれのメンバーごとの得意/不得意な業務が分かるので助け合えます。デメリットは同僚間でトラブルが起きたとき「異動までの我慢」という選択肢がないことです。

ストレス

国税 民間経理
ストレス ストレス多い ストレス少ない

税務署の頃のストレスはかなりのものでした。上司や同僚でうつ病と診断され一時的に休職する人もちらほらと……。基本的に税務職員は好かれるものではないので仕方ないのですが。

あぁ……あまり思い出したくない

一方の民間経理ですが、税務署に比べればストレス少ないです。大企業の経理部長ともなれば色々な責任がありストレスも多いですが、いち経理部員なら大丈夫です。

もちろん経理部員にも対人ストレスはあり、それは他部署の社員とのやり取りです。

多部未華子主演の経理部を舞台にしたドラマこれは経費で落ちません!を見ていると、「そうそう!」と頷きます。面白いのでまだの方はぜひ。

権力

国税 民間経理
権力 とても強力 無し

国税の調査権徴収権というのはとても強力です。いざ調査になれば調査対象の隠したいことも調べることができ、こういったところに「やりがい」を感じる職員も多いと思います。

一方、民間会社の経理にはそのような権力はありません。
同じ会社の社員に対して、「領収書出してください」「交際費か会議費か分からないので、この食事の領収書について教えて下さい」と言えるぐらいでしょうか……。

将来性(IT)

国税 民間経理
将来性(IT) 置き換わらない 一部置き換えられる

高度なIT技術、AIによって人間に仕事が将来無くなるという話がありますが、職業によってITによる置き換えが可能かどうかは異なります。

国税職員の場合、メイン業務は調査・徴収であり置き換えは無理です。将来無くなる職業にはならないです。

一方の民間経理ですが、会社法や会社の規定というルールに従った仕事です。そのため置き換えがしやすいです。

更に銀行や様々なシステムとの自動連携が増えてきており、勘定科目の選択もシステムに覚えさせたルールによってシステム側で選択し仕訳が自動でされる……と人間の出る幕は減っています。

経理って、AIに置き換えられる職業のリストに挙げられちゃうんですよね~

ニュースになる

国税 民間経理
ニュースになる 良い意味でも悪い意味でも
ニュースになる
基本無し

国税は良いことも悪いこともニュースとして報道されます。
大型の脱税を摘発したという良いニュースになることもあれば、「税務職員が電車に調査書類の入ったカバンを忘れた」というような悪いニュースにもなります。

会社の経理部員の場合、こういったニュース沙汰は基本無しです。

まとめ

国税と民間経理について比較してみました。

何が自分の人生にとって大切かによって、国税の方がいい、民間経理の方が良さそうというのが変わります。

結論として、国税でないと味わえない「権力の行使」にやりがいを感じるなら転職はすべきでないです。こればかりは国税ならではで他の仕事では代替できません。

しかし権力の行使よりも「自由」が欲しいなら転職も選択肢に入れることをオススメします。希望しない異動がある国税では、自分の人生の舵取りの一部を人事部に委ねることになります。引っ越しも楽しいと思える人なら良いのですが。

民間会社は公務員に比べて安定していない……という不安もあるかもしれませんが、ストレスから心身の健康を崩す税務署員を見ていると、公務員だって安定していません。

毎日本当に忙しいと思いますが、一度立ち止まってみませんか。仕事に対して何が大事で何がそこまで大事じゃないかを考えることで、頭の中が整理され、日々の行動も「なんとなく」から「これ!」と芯のあるものに変わります。

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